家族で楽しめる釣りにも危険は数多く存在します。釣りで遭遇する危険生物もそのひとつです。大変なことにならないように知識を身につけることが大切です。
本記事では、沖縄での釣りで遭遇する危険生物、遭遇しないための対策、遭遇したときの対処法について詳しく解説します。ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
沖縄での釣りで遭遇する危険生物
釣りで遭遇する危険生物は大きく分けて3種類あります。それぞれ解説します。
触ると危険な魚
実は普段釣っている魚にもヒレに毒があったり、トゲなど触ると危険な魚も多く、知らずに触ってケガすることも少なくありません。触ると危険な魚を紹介します。
エーグァー・カーエー(アイゴ)
エーグァー・カーエーは堤防でも良く釣れる魚です。サビキ釣り・ウキ釣りなどでも容易に掛かり、見た目が毒魚っぽくないため注意しましょう。
背ビレ、胸ビレ、腹ビレとくまなく毒針を備えていることが特徴です。前を向いている背びれの先頭にある毒針が一番危険なため注意が必要です。
処理の仕方が悪いと悪臭を放つため、釣れた場合は、ハリを切って逃がしてあげることをおすすめします。
正しく処理しておけば美味しく食べることもできるので、食時として頂く場合は早めに内蔵などを取り除くと良いでしょう。
ミノカサゴ
ミノカサゴは沿岸の岩礁域で見られる魚で、優雅に泳ぎ、ゆっくりとした動きが特徴です。尻ビレに猛毒をもっているため非常に危険な魚と言えます。
刺されると激痛を伴って患部が腫脹し、めまいや吐き気、呼吸困難を起こすこともあるため注意が必要です。
間違って釣れた際は直接手で触らず、プライヤーやフィッシュグリップなどを使うようにしましょう。
ゴンズイ
ゴンズイは、海水に住むナマズの仲間で口元にあるヒゲと体にある2本の黄色いラインが特徴です。胸ビレや尾ビレに棘があり、刺されると毒により赤く腫れあがり激痛が走ります。
痛みがひどい場合や毒の耐性が弱い人は最悪の場合死に至るため注意が必要です。
サイズが小さく群れで生息していることが多く、夜行性で夜釣り中に磯や防波堤付近を徘徊する魚体を釣り上げてしまう可能性があります。
ゴンズイは死んでも毒が消えません。釣れた場合は直接触れず、フィッシュグリップやプライヤーを使い、ハリを切って逃がしてあげましょう。
噛まれる危険のある魚
海の魚は鋭い刃を持つ魚が多く噛まれると危険です。噛まれる危険のある魚を紹介します。
ダツ
ダツは細長い魚で上下の顎が長く延びていることが特徴です。沖縄では漁港やビーチ、リーフなど、どこにでも生息してる魚です。見た目が似ているサヨリに間違われることもあります。
歯が鋭く、噛まれると怪我をする可能性があるため、釣り上げた際は口元と頭の先っちょに気をつけてください。
夜釣りの場合はダツに走光性があるため明かりをつけている時は危険です。光に向かって飛び込んでくるため目に刺さると死に至ることがあります。実際に死亡例もあるため細心の注意を払う必要があります。
ただ、ルアーやフカセ釣りなどではダツが食べてくることも珍しくなく、掛かった時は引きが強く飛び跳ねて逃げていくため釣り好きには人気の外道となっています。
ウツボ
ウツボは細長い体をしており、まだら模様が特徴で、体長は1m前後にまで成長する大型な魚です。尖った口は大きく裂け、鋭い歯と力強い顎を持っているため噛まれると大怪我をします。
また、生命力が強いためクビを落としてもしばらくは噛み付いてくるため注意が必要です。
沖縄でも漁港のテトラポットの隙間や岩礁帯、珊瑚礁などの隙間に隠れていることが多いです。
投げ釣りや打ち込み釣り、穴釣りなどでも釣れる可能性があるため釣れた際は口元に注意しましょう。
アカエイ
投げ釣りや打ち込み釣り、ルアー釣りでたまに釣れてしまうアカエイは、尾に鋭い毒針を持っていることが特徴です。アカエイの尾の可動範囲はかなり広いため、針を外す際には細心の注意を払いましょう。
毒針は細胞を壊死させる作用があるため大変危険です。激痛だけでなく後遺症なども懸念されるため、リリースする際は無理せず、ラインから切ってしまうのがおすすめです。
ウミヘビ
沖縄で釣りをしているとウミヘビがひっかかって釣れてしまうことがあります。基本ウミヘビはこちらが危害を加えない限り、大人しい性格です。
ただ、間違って釣れた際は暴れているため間違っても海から引き上げないようにしましょう。
なるべくウミヘビから離れて釣り糸を切ってリリースするのが健全です。
人を殺傷できるほどの毒を持っているため、万が一噛まれた場合はすぐ病院へ向かってください。
食べると危険な魚
食べると危険な魚で有名なのはフグでしょう。体内に毒を含有しているため誤って食べた場合は、麻痺を起こし、最悪のケースでは死に至るため注意が必要です。
また、沖縄では食べるとシガテラという食中毒を起こす魚が多く存在します。食中毒の症状は、下痢や腹痛、だるさや関節の痛みで、ひどいと歩けない状態になり、救急車で運ばれるケースもあります。
バラハタ、イッテンフエダイ、バラフエダイなどの魚が有名で、特に成長している大型な魚には注意しましょう。
遭遇したときの対処法
それでは釣れてしまって、危険にさらされた場合の対処法を紹介します。
毒魚に刺されてしまったときの対処法
触ったり、刺されたりすると危険な魚がもつ毒には熱に弱い性質があります。万が一刺された場合は、目に見えるトゲがある場合は取り除き、40~45℃ほどのお湯に患部を60~90分ほどつけましょう。
それでも痛みが和らがない場合は、痛み止めを服用してください。意識障害や呼吸困難などの症状がでた場合はアナフィラキシーショックを起こしている可能性があるため救急車を呼びましょう。
また、死んでいても毒は残っているため、クーラーボックスで持ち帰る際や取り出すときにも素手で触らないように注意が必要です。
食中毒を起こしたときの対処法
食中毒を起こしたらすぐに病院へ行きましょう。シガテラ毒による死亡例は国内ではまだ確認されていません。ただし、効果的な治療法が確立されていないため、後遺症が半年から1年程度続く恐れがあります。
シガテラ食中毒にならないためには、バラハタ、イッテンフエダイ、バラフエダイなどの大きな個体が釣れた時は食べないことが大切です。
フグのもつテトロドトキシンは死亡例が確認されているため万全の注意が必要です。フグ中毒にならないための大切なポイントは、釣った魚の種類がわからないときは食べない、食べられるフグを釣ったときは自分で調理しないことです。
毒魚が連れて知ったときに役立つアイテム
毒をもつ魚が釣れてしまった場合は、できるだけ触らず、魚から距離をとる必要があります。長めのプライヤーやハサミなどはかかせないアイテムです。
また、フィッシュグリップや魚バサミがあれば、魚に触ることなく安全に針を外せるため1つ持っておくことをおすすめします。